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梅干しデッサン

梅干しデッサン

梅干しの種をデッサンしてみましょう。
いわゆるデッサンのように視覚で捉えるのではなく、
舌の触覚を使って捉えて描きましょう。
目で「見る」ことに慣れた私たちですが、
舌を使って「観る」とどうなるでしょうか?
舌が持つ触覚の可能性に新たな発見があるはずです。

梅干しデッサンの方法

  1. 梅干しを果肉のついた状態で口に含む
  2. 果肉を食べてタネだけの状態にする
  3. タネだけの状態になったらデッサンを始める
  4. 描き終わったら種を口から出して水で洗い、デッサンと並べる
  5. デッサン用紙裏面に種を捉えようとした時の舌の触覚や機能の使い方等の気付きを書く
  6. 描いたデッサンを見せ合いながら、舌の触覚や機能の使い方を共有する

梅干しは粒が大き物を使います。梅干しの種といっても実は全て同じではなく個体差があります。知っていると思っている種でも自分の口の中にあるものがどんなものかはその細部まではわかりません。

果肉を味わい、同時にその質感を舌の触覚で味わいながらじっくりと種だけにしていきます。そして、いよいよ種だけになったらデッサンをはじめます。全体や細部の形まで実寸大で描いていくと、いろんな舌の触覚や運動機能の使い方の工夫が必要になってきます。描くと同時にどの発見をしっかりと意識します。

このトレーニングで大切なのは出来上がったデッサンではなく、その裏側に書いた発見した舌の触覚にあります。描きあがったデッサンと実物の種を比べると「意外に描けてるな?」とか「思っていたのと違ったな。」などといろんな反応が出てきますが、本題はその後の「どんな方法で捉えようとしたか」です。参加者でそれぞれの方法を共有し、集めていくと、今まで使っていなかった触覚の可能性を発見することができます。

この発見を「では他の身体の触覚だとどうだろう?」と繋げていくと、いろんな展開行うことができます。舌の触覚というのは触覚を代表する手とは離れた場所の物なので、意外性も多く触覚の入門編としてはとても良いトレーニングです。